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私たちは、生命システムを工学的視点から捉えてデザインすることによって未来の先進医療や再生医療に貢献することを目指して日々研究に取り組んでいます。また、生命をシステムとして捉えることによって工学的視点から理解することは、生命システムから学ぶ「新しい工学パラダイム」の創出にもつながります。
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私たちの体は無数の細胞が有機的に組み合わさることによって組織や臓器を構成し、さらには個体(ヒト)として機能しています。つまり、細胞という名の部品(要素)が集まって、ヒトというシステムが出来上がっています。生命システムの仕組みは、医学・生物学の分野を中心に研究が進められてきましたが、実は工学の分野でもこうした生命システムの仕組みを解き明かす研究が行われています。
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医学・生物学の研究では、生命システムを要素に分解して調べていくアプローチ(解析的アプローチ)が好まれます。その結果、様々な仕組みが解き明かされ、病気のメカニズムなども分かってきました。最終的にヒトの設計図も明らかになりましたが、現在も「再生できない臓器」や「治療法の確立されていない病気」があります。この事実は、生命システムの仕組みを解き明かすためには、別のアプローチも必要ではないかということを示唆しています。実は、そこで役立つのが工学の立場から生命システムを調べていくアプローチです。
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「ものづくり」に代表される工学の考え方というのは、部品(要素)を組み合わせて様々な人工物(システム)を構築することです。ものづくりの対象は、人間社会を豊かにしている様々な人工物(建物や機械など)に限定される必要はなく、生命システムにも当てはめることができます。工学の考え方に基づくと、細胞(要素)を組み合わせて生命システムを構築するアプローチ(合成的アプローチ)で、仕組みを解き明かすことになります。これは、医学・生物学の分野とはまったく逆のアプローチで、新しい視点から生命科学の研究に取り組むことになります。私たちは、以上のような考えに基づいて工学的視点から生命システムをデザインする生体工学の研究を進めています。
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須藤研究室では組織工学、マイクロ流体工学、細胞バイオメカニクス、メカノバイオロジー、バイオファブリケーションなどのキーワードで代表される研究を進めています。具体的には以下のようなテーマに取り組んでいて、いずれも工学的視点から生命システムを解き明かそうとする挑戦的な内容で、とても面白い研究です。
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